第40回研究会報告 森 章司(2017.1.28)

2017.01.28

 1月26日(木)に、2010年1月に発足した「釈尊伝研究会」の第40回目の研究会を行いました。最近
は月例の研究会が行えなくなっているので3ヵ月ぶりの研究会でした。これにともないタイトルの形式も
標記のように変更させていただきました。
 今回の出席者は森章司、金子芳夫、岩井昌悟、本澤綱夫、石井照彦の研究会員全員で、主なテーマは
「釈尊伝研究の完成作業について」でした。

 ここにいう「釈尊伝研究の完成作業」というのは、「釈尊および釈尊教団形成史年表」(以下「年表」)
「釈尊年齢にしたがって配列した原始仏教聖典目録」(以下「目録」)を刊行することを意味します。
 「年表」は釈尊の満年齢と成道年数の年度ごとに、釈尊と仏弟子あるいは王や主立った在家信者などの
事績と釈尊教団形成史に係る事項を記したものです。
 「目録」は「年表」に記した事績や事項を伝える原始仏教聖典の文献名(パーリと漢訳の「経蔵」と
「律蔵」に含まれる文献)を掲げたものです。いわばすべての原始仏教聖典を釈尊の生涯と釈尊教団形成
史にそって配列した「聖典目録」で、これには1つ1つの文献の概要も記載します。
 したがって「年表」は「原始仏教聖典による釈尊伝」の目次のようなものであり、「目録」はその本文
ということができます。
 本来なら一般読者にも読んでいただけるような新しい『釈尊伝』を公刊することをもって完成としたい
ところですが、これはもう少し先のことになります。
 この「年表」と「目録」を作成するためにはさまざまな細かな作業を行わなければなりません。「目録」
をパソコン上で編集するためにはデータそのものを改修しなければなりませんし、何よりもわかりやすい
要領のよい概要にするためには、内部作業用に記入してあるものを全面的に見直さなければなりません。
 今回の研究会はこれらの作業方法と手順を検討しました。

 なお1年越しの作業となってしまった【資料集8】「パーリ『経蔵』の六事と仏在処一覧」についての検
討も行いました。この資料集は昨年の11月に、経の冒頭の「六事」のみでなく経の結部の「歓喜文」の部
分も資料として盛り込むなどの方針転換をしたため、いまだに完成原稿を作成できておりません。
 したがって前回の研究ニュースにお知らせした「モノグラフ」第21号の刊行は、併載する3つの論衡は
すでに校正もあらかた終わっているのですが、この資料集が遅れているためにその刊行がびのびになって
います。

 写真は研究会メンバーです。

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