3月26日(木)に第31回目の「釈尊伝研究会」を行いました。いつものように森章司、金子芳夫、岩井昌悟、本澤綱夫、石井照彦が出席しました。
用意した議題は次のようなものでした。
(1)前回議事録確認
(2)報告事項
(3)ホームページの活性化策について
(4)「モノグラフ」第20号掲載の各自担当の研究テーマについての現況報告と討議
金子芳夫:「原始仏教時代の遊行・通商ルート」について
森 章司:「原始仏教時代の遊行・通商ルート」論文について
岩井昌悟:「ジーヴァカ資料集」について
(5)各自担当の研究テーマについての現況報告と討議
本澤綱夫:「釈迦族の人種に関するDNA分析」について
(6)ゴールデンウイーク中の「遊行ルート」を課題とする合宿研究会について
(7)その他
(3)については石井照彦から、ホームページ上に「掲示板」を開設するという提案がありました。このホームページはわれわれの方からの一方的な情報提供のみで、閲覧していただいた方からのご意見やご教示あるいは質問などを受け入れ、それに応答する手だてがありませんでした。研究の大きな資源を埋もれさせたままであったといえます。
その実現のためにはいくつかも関門をクリアする必要があり、その最大はこの研究に関する以外の投稿をチェックするシステムを作ることです。それには人的措置も必要なので、継続して検討することになりました。
(4)については、まず金子から「原始仏教時代の遊行・通商ルート」についての報告がありました。データの整理はいよいよ煮詰まってきていて、検討したのは瑣末で個別的な事項のみでした。
森からは「原始仏教時代の遊行・通商ルート」論文の目次案を報告しました。現時点では次のようになります。
はじめに
【1】遊行・通商ルートを想定するための基準地点
【2】原始仏教聖典に記された遊行・通商ルートの「基礎データ」
【3】基礎データをもとに加工した「直近2基準地点間データ」
【4】遊行・通商ルートを想定するにあたっての基本的要件
【5】遊行・通商ルートを想定するために行った具体的検討事項
【6】「原始仏教時代の遊行・通商ルート」地図
【7】原始仏教時代の遊行・通商ルートの概観と分析
まとめ
なおこのテーマも釈尊伝研究会全体で取り組んでおり、「原始仏教時代の遊行・通商ルート」地図はゴールデンウイーク中に合宿研究会を行って最終結論を出すことになっていますが、論文執筆担当者は森と金子です。
岩井からは「ジーヴァカ資料集」についての報告がありました。資料の中心は『パーリ律』と『四分律』の「衣犍度」ですが、その他の文献も含めて、原典と日本語訳の提示のし方など基本的な方針を検討しました。なおこれは岩井と本澤が担当で、最初にこの研究テーマを「研究通信」でご報告したのは2009年5月1日の「定例研究会報告」ですから、すでにまる6年がたっていることになります。いよいよこの秋には完成し、ご報告できそうです。
(5)については、本澤から前回に引き続いて「釈迦族の人種に関するDNA分析」についての報告がありました。素人にとってはなかなか理解し難い大きな壁があって、専門家からレクチャーを受けることになりました。
写真は研究会のときに撮影した本澤綱夫と石井照彦です。