8月17日(日)、18日(月)、19日(火)の2泊3日の日程で、立正佼成会の施設をお借りして、「モノグラフ」第19号刊行のための校正合宿研究会を行いました。でき上がるのは9月上旬になります。
この「モノグラフ」には次の論稿が掲載されます。いずれも著者は森章司です。
【研究ノート1】釈尊のアンガ(Aṅga)国訪問年の推定
【研究ノート2】ジーヴァカ(Jīvaka-Komārabhacca)の諸事績年代の推定
【研究ノート3】詩人ヴァンギーサ(Vaṅgīsa)の生涯
【研究ノート4】4人のプンナとそれぞれの事績年代の推定
【研究ノート5】アングリマーラ(Aṅgulimāla)帰信年の推定
【研究ノート6】ニガンタ・ナータプッタ(Nigaṇṭha Nātaputta)死亡年の推定
【研究ノート7】東園鹿子母講堂(Pubbārāma Migāramātupāsāda)寄進年の推定
【研究ノート8】釈迦族滅亡年の推定
【研究ノート9】「涅槃経」の遊行ルート
−−特にガンジス河とガンダク河の渡河地点について−−
これらは【研究ノート】としてあり、【論文】とはなっておりません。この理由を「はじめに」に書きましたので、その部分を引用しておきます。
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今回の「モノグラフ」に掲載した論稿は、そのすべてが【論文】ではなく【研究ノート】となっています。実は聖典には、釈尊や仏弟子たちの事績の年代や寺院建立の年代などについての具体的な記述はほとんどありません。そこでかなりの部分を推測で補わなければならないわけですが、その推測が恣意的にならないように基礎的研究が必要だったわけです。しかし今号に取り上げたテーマについては年代を示唆する記述がさらに少なくなり、ますます推測の範囲が拡がって、論文と称するには忸怩たるものがあったからです。
学問的な態度としては、判らないことは判らないままに留めておくべきかもしれません。しかし今までの研究によって、聖典の編集者たちがもっていたであろう「釈尊の生涯イメージ」と「釈尊教団形成史イメージ」を再構築するというそのイメージがかなりはっきりしてきたと自負していますので、ここで引き下がっては画竜点睛を欠くと考えて、あえてこれを「研究ノート」の形にまとめることにしたわけです。
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神経を使う細かな仕事で終った時には全員ぐったりしていましたが、宿泊所ではアルコールもはいり、いつものことですが議論沸騰して大いに盛り上がりました。