6月6日(金)に第23回「釈尊伝研究会」を行いました。今回も「原始仏教時代の通商・遊行ルート」をテーマにしました。
研究会では、金子芳夫から今までの経過報告がなされた後、次の報告がありました。
岩井昌悟:Āḷavīの地図上の位置について
森 章司:Mithilāの地図上の位置について
森 章司:ガンダク河左岸(東岸)ルートはあったか
これにより、現在作業中の地図のĀḷavīとMithilāの位置を報告の通りに修正し、ガンダク河左岸(東岸)ルートについては、報告どおりに存在しなかったという結論となりました。
この研究も大詰めを迎えていますが、今なおさらに検討しなければならない事項が残されています。通商・遊行データには含まれず、しかも我々が描こうとしている通商・遊行ルートから外れていると考えられる仏在処・説処となっている地名をどう処理するか、ルート内にあるとは推定されるものの、その地図上の位置の不明確な地名の位置の確定、また中国と辺国を区切る地名があり、これが地図上のどこに位置するか、またこれを通商・遊行ルートにどのように組み込むべきかなどという課題です。
次回の研究会は7月末日と少し間が空いてしまうことになったので、これらは金子と森が相談して処理し、研究会までに2人で「原始仏教時代の通商・遊行ルート地図」の完成地図の原案を作成して、これを研究会でみんなで検討するということになりそうです。
なお今回の研究会に、ある出版社の編集担当者に来ていただき、われわれの研究成果の普及書の出版について相談しました。出版物が売れない状況の中で、双方ともに厳しい対応が迫られそうです。
我々のほうは、いかに一般読者に読んでもらえる内容にするか、その具体的な内容、単行書とするかシリーズとするかなどを詰めることになりました。
また出版社の方は、採算がとれるようにするための読者層の開拓の方法や、シリーズのような大型企画にする場合には、そのための地ならしをどう進めるかなどを詰めることになりました。