10月9日(水)に第20回「釈尊伝研究会」を開き、主に8月に実施した「ネパール・インド現地合宿研究会」の事後処理をしました。
この現地合宿研究会は「釈迦族の人種を探る」をテーマにしていましたので、主にネパールのパタンでは50人ほどのシャキヤを姓とする人々と会い、ルンビニーでも50人ほどの人に集まってもらって、姓名や出身地などを尋ねました。併せて往古の釈迦国に点在するたくさんの遺跡を見、ここに住む先住民族タルー族の村なども訪問しました。またネパール・インドでは合計5人の考古学者、社会人類学者、宗教学者、仏教学者と議論してきました。
この全行程にわたって8ミリ撮影(担当:金子芳夫)、写真撮影(担当:岩井昌悟)、録音とGPSでの位置測定(担当:石井照彦)を行いましたので、この記録は膨大なものとなりました。研究会ではこれらの記録がどのように整理されているかを確認しました。ほしい資料を簡単に探し出せるようになっています。
なおこのテーマについての研究はさらに続けます。
留守居役となった本澤綱夫はこの間、「パーリ・漢訳対照『律蔵』規定便覧」の編集方針を検討してくれました。6月の研究ニュースで、これは「かなりのところまでまとまっている」と報告しましたが、仕上げをどのようにするかとなるとまだまだかなり問題点が残されているようです。
森の「サンガと律蔵諸規定の形成過程」の原稿が完成したので、これを「モノグラフ」第18号として刊行することにしました。そのための編集、校正作業を11月の初旬に合宿して行います。11月末にはできあがるでしょう。