3月の研究会を3月27日(水)に行いました。偶数月に定例研究会を行っていますので、今回は臨時の研究会です。旅行社の方にも来ていただいて、「釈迦族の人種をさぐるネパール・インド現地合宿研究会」の行程などの相談をしました。
余った時間で研究会も行いました。詳細は以下のとおりです。
本澤綱夫、岩井昌悟:"Buddhist monastic life--according to the texts of the Theravāda tradition"の発行者Laurence Rondinet氏から返事がきて、著者のMohan Wijayaratna氏の連絡先を教えていただきました。しかしRondinet氏ご自身も著者には連絡が取れないということでした。そのほかフランス仏教センターにも問い合わせをすることにしましたが、著者をつかまえることはなかなか難しそうです。
金子芳夫:「原始仏教時代の通商・遊行ルート」(仮題)のデータ収集が終了し、このデータを整理して地図上にルートを描く作業に入っています。同時にデータ収集とその処理に関する凡例を書いているところです。
森 章司:「サンガと律蔵諸規定の形成過程」(仮題)という論文を執筆中で、今回はその第3節と第4節にあたる「善来具足戒と帰依の対象としてのサンガ(僧宝)の成立」「三帰依具足戒とサンガ祖形の形成」を報告し、意見を頂戴しました。
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また「釈迦族=釈尊の人種」について、内外の研究者がどのような意見をもっているかを調べて、情報交換をしました。大きくはアーリヤ系の人種であったとするものと非アーリヤ系の人種であったとするものに分かれますが、アーリヤ系の人種にしろ非アーリヤ系の人種にしろこれもまた区々、その根拠もバラバラで、定説がないというよりはむしろ渾沌としているといってよいでしょう。
そこで来月の研究会では、原始仏教聖典自身のなかに人種を推定する情報が含まれていないか調査して、意見交換をすることにしました。