隔月の偶数月に行うことになっている定例研究会を4月25日(水)に行いました。金子芳夫、本澤綱夫、森章司からの報告がありました。
その報告のあらましは次のとおりです。
金子芳夫:すでに発行されている「原始仏教聖典の仏在処・説処一覧」をもとに、釈尊と仏弟子たちの遊行ルート資料を収集整理しています。王舎城と舎衛城を結ぶルートにはどのような何本のルートがあったかなどや、例えば「釈尊は随意の間王舎城に住された後、ヴェーサーリーへ向けて遊行にでられた」というときには、どのあたりでガンジス河を越えられたかといったことも明らかにしたいと考えています。もちろんこれは釈尊時代の通商ルートとも重なるはずです。
本澤綱夫:"Buddhist Monastic Life--according to the texts of the Theravāda tradition"の一応の和訳が終わりました。しかしこの書物にはかなりの問題点が含まれており、忠実かつ正確に日本語に翻訳するだけではあまり価値がないという判断に達しました。そこで註の形で、漢訳の情報を付け加えたり、著者の思い違いや間違いなどを訂正するなどの付加価値をつけることにしました。またわれわれの研究成果を盛り込んだ「付論」をつけることなども考えています。
森 章司:「迦絺那衣(kaṭhina)の研究」原稿が完成しました。すでにでき上がっている「原始仏教聖典にみる釈尊と仏弟子たちの一日」と併せて、「モノグラフ」第17号に掲載します。編集作業は連休中に終りますから、5月中旬頃には発行できるでしょう。
岩井昌悟:緊急の会議が入って欠席でした。このごろの大学は春休み中も業務が忙しくて、「ジーヴァカ資料集」の作業は進んでいないという報告を受けました。したがってこれは残念ながら、「モノグラフ」第17号には間に合いませんでした。