われわれがもっている一つ一つの経典(律蔵も含む)のパソコン・データに、それがいつ説かれたかを書き込む作業を始めました。10月18日に合宿をはじめてから、今日(10月29日)で2週間になります。土・日は休みますがこの合宿は11月末日まで続く予定です。
「目録」は、われわれが研究の成果をまとめて作り上げた「釈尊および釈尊教団史年表」の年度ごとの事績に、その時説かれた経あるいはその事績を回想している経にはどのようなものがあるかということを、経名とPTSや大正蔵などの巻数・ページはもちろん、その概要をも示すものです。
現在行っている作業は、そのためにデータの一つ一つに年次と事績名を書き込むという作業ですが、われわれがもっているデータは、原始仏教聖典が11,925経、仏伝経典などの後期の原始仏教聖典が2,025経、Jinakālamālīなどの後世の釈迦仏教聖典が549経で、合計14,499経という膨大な量になりますから、この1経1経に情報を書き込むのは簡単ではありません。もちろん事前に研究を進めて、作業はできるだけ機械的にできるように用意はしてあるのですが、いざデータそのものに接してみるとその場で訂正しなければならないようなことも起こってきます。以前にこの「研究ニュース」に「全神経を集中した、気を抜く余裕のない、しんどい期間となりそうです」と書きましたが、まさしくこれを実感しているところです。
この「目録」編集作業は今まで築き上げてきたわれわれの研究結果を検証するという意図をも持っているものですから、未だ「釈尊および釈尊教団史年表」は公刊していませんし、この「目録」も公刊する予定はありません。しかし検証の結果、われわれが今もっている結論に誤りがないと確信できましたら、その時点で公刊することにしたいと考えています。励ましをいただければ幸いです。