「モノグラフ」第15号(2009年10月発行)に掲載した金子芳夫編「原始仏教聖典の仏在処・説処一覧−−その他国篇」に付録としてつけた、「補註」「十六大国一覧表」「十六大国資料」「原始仏教聖典の仏在処・説処地図」をアップしました。まだまだわからないことばかりです。ご意見をお寄せいただければ幸いです。
「補註」は、仏在処・説処とされる地名が国を現すのか、それとも都市や村の名前なのか、あるいはそれらがどこにあったのかといったことが不明瞭なものを、この研究グループの研究員たちが分担研究して一応の結論を出した、その根拠・理由を論文の形にまとめたものです。たとえばアングッタラーパやアーラヴィーという地名がどれくらいの規模のもので、どこにあったのかなどということです。
「十六大国一覧表」と「十六大国資料」は、この資料集が「国」として立てる基準を「十六大国」に求めているため、原始仏教聖典や注釈書などに言及されている「十六大国」に関する資料を収集・整理して、それを一覧表としたものです。「十六大国」といっても文献によって上げる国名が区々であり、また紛らわしい国名があって、これらをアイデンティファイすることが難しいということがお分かりいただけると思います。
そして「地図」には、この「仏在処・説処一覧」で取り上げた国と主要な都市を書き込みました。客観的な地図とするためには原始仏教聖典以外のさまざまな文献を用い、また地理学などの成果によって検証しなければなりません。しかしこの地図は概略図でありますし、「仏在処・説処一覧」を作成する過程においておのずからに描かれてきたものでありますから、「原始仏教聖典の仏在処・説処一覧地図」としました。とはいいながらそれなりに厳密な検討の成果をもとに作成したものでありますから、参照していただく価値はあろうかと思います。
残念ながら「本体」の方はまだアップする準備が整いません。いましばらくお待ち下さい。